私たちの基本哲学

フュージョン・リサーチは、アクティビスト対応や株主対応において、「経営判断を代行する会社」でも、「株主と戦う代理人」でもありません。

私たちの役割は、経営が自ら下す判断が、市場・株主・取締役会・将来の第三者検証に耐えうる構造を持っているかを、判断前に整理することにあります。

経営者が直面するのは、判断そのものの正誤ではなく、「後から問われた時に、その判断の論理を説明できるか」です。私たちは、その説明構造を事前に構築するために存在します。

弊社が「やること」

1 アクティビスト提案・株主要求の争点構造化

アクティビスト提案は、財務・資本政策・事業ポートフォリオ・ガバナンスといった複数の論点を、一つの物語に混在させることがあります。これにより、経営側は体系的な対応が困難になります。

私たちが行うこと:

  • 提案を財務・資本政策・事業ポートフォリオ・ガバナンスに分解
  • どの要素が市場合理的で、どれがそうでないかを特定
  • 本当の争点がどこにあるかを可視化

結果:経営は、感情的・防衛的ではなく、各論点を市場ロジックに基づいて対応できます。混在した物語に追い込まれることを防ぎます。

2 経営判断における意思決定前提の設計

経営は、しばしば暗黙の前提に基づいて判断を下しますが、それが言語化されていません。後から問われた時、この前提を説明できないことが弱点になります。

私たちが行うこと:

  • 暗黙の前提を言語化:時間軸、制約、実行可能性、不可逆性
  • 「この前提が成り立つ限り合理的」と説明できる判断構造を設計
  • その前提がどこで問われるかを特定し、防御を準備

結果:後から判断を問われても、「どういう条件下でこの判断が合理的だったか」を説明でき、論理的一貫性を保てます。

3 説明責任・検証耐性の事前点検

社内では堅固に見える判断も、外部検証にさらされると脆弱性が露呈することがあります。取締役会、機関投資家、株主総会、将来の訴訟や報道など、複数の検証主体が存在します。

私たちが行うこと:

取締役会
善管注意義務の観点
機関投資家
市場ロジックの観点
株主総会
公開検証の観点
将来の訴訟
法的基準の観点

結果:経営は、どこが突かれやすく、どこは守れるかを事前に把握でき、後手に回らず先手で準備できます。

4 「採用しない」判断を合理化する支援

アクティビスト提案を単に拒否すれば「防衛的」「株主利益を無視」と批判されるリスクがあります。一方、全面受容は長期的企業価値を損なう可能性があります。鍵は、この両極端の間に合理的なポジションを設計することです。

全面拒否
提案が長期戦略と根本的に矛盾する場合
部分受容
一部の要素が企業方向性と整合する場合
時間軸調整
方向は正しいが実行時期の再考が必要な場合

結果:経営は「拒否する」ではなく、「どういう条件下で拒否(または受容)が合理的か」を説明でき、建設的な対話姿勢を維持できます。

5 経営が主体性を失わないための整理

アクティビスト案件で最大のリスクは、間違った判断をすることではなく、経営が「なぜ自分たちがその判断をしたのか」を自分の言葉で説明できなくなることです。アドバイザーが結論を押し付けると、経営はその判断を真に自分のものとして擁護できなくなります。

私たちの約束:

私たちは結論を押し付けません。その代わり、経営が自信を持って「これは私たちの判断であり、だからこそ合理的だ」と言えるように論理を整理します。私たちの役割は、経営が判断の主導権を保持できる構造を構築することです。

弊社が「やらないこと」

私たちが「やらないこと」を明確にすることは、「やること」を定義することと同じくらい重要です。これらの境界線は、クライアントと私たちの支援のプロセスの完全性を守ります。

経営判断の代行・意思決定の肩代わり

理由:最終判断は常に経営の責任でなければなりません。私たちが判断を下せば、経営は真にその判断を擁護できなくなります。私たちは論理を整理するのであって、結論を押し付けるのではありません。

株主・アクティビストとの代理交渉

理由:対話と交渉には経営の真の声が必要です。私たちは表で戦う代理人でも、水面下で圧力をかける存在でもありません。私たちの役割は、経営が直接関与できるよう準備することであって、代行することではありません。

短期株価の保証・演出

理由:株価は私たちがコントロールできない無数の要因を反映します。即座のPBR回復や市場評価改善を約束することは不誠実です。私たちは判断構造に焦点を当て、市場結果には焦点を当てません。

敵対的キャンペーン・世論操作

理由:メディア誘導、レピュテーション攻撃、感情的対立を煽る戦略は、長期的な企業信頼性を損ないます。私たちは信頼を損なう戦術には一切関与しません。

どちらかの代理人になること

理由:私たちは株主側の論理経営側の制約の両方を理解しています。この二重の視点が私たちの価値です。どちらかの代理人になれば、客観的な構造を整理する能力が失われます。

なぜこのスタンスが重要なのか

アクティビスト案件において、経営が最も避けたいのは
判断そのものではなく
「なぜその判断をしたのか説明できない状態」です。

本当の課題:

明確な前提なしにプレッシャー下で下された判断は、後から擁護不可能になります。経営が追い込まれるのは、判断が間違っていたからではなく、なぜその時点で合理的だったかを説明できないからです。

私たちは、判断を下す前にこの脆弱性の構造を解体することに専門性を置いています。事後の後始末ではありません。

典型的なご相談局面

以下のような局面では、ご相談を検討されることをお勧めします:

1. 「市場的に間違っている」と言い切れない

提案を拒否したいが、なぜそれが市場的に間違っているかを明確に説明できない。戦略と矛盾すると感じるが、論理が結晶化していない。

2. 社外説明に不安が残る

社内では判断に納得がいく。しかし、機関投資家、議決権行使助言会社、メディアに説明する場面を想像すると、物語が完璧ではないと気づく。

3. 後から責められないか確信が持てない

これが正しい判断だと信じているが、後から取締役会、株主、訴訟で批判されないか確信が持てない。「もし〜だったら」というシナリオが頭から離れない。

こうした局面で、私たちは判断そのものではなく、
判断を擁護可能にする構造を点検する
支援を提供します。

私たちの使命

フュージョン・リサーチは、経営の自由度を奪うために存在するのではありません。

むしろ、経営が自らの判断を、
あらゆる検証に対して自信を持って維持・擁護できる状態を作るため
に存在します。